エコノミークラス症候群の症状と治療法
エコノミークラス症候群の症状としてよくみられる状態と、発症する原因および対策・治療法について。
エコノミークラス症候群の症状として、比較的軽い場合であれば【足のむくみや痛み】といったことで済むケースが多いですが、重症の場合には足にできた血の塊が肺に詰まり【呼吸困難になったり】、【胸が痛む】、【血圧低下】といった症状を引き起こすケースがあります。 また【失神】したり、最悪の場合【死亡】に至るケースもあるひじょうに危険な病気です。エコノミークラス症候群の症状が実際にでるのは、個人差によって異なるものの、【フライト中の機内】で生じる場合から【フライト後、一週間以内】というのが一般的だそうです。 |
エコノミークラス症候群になる原因
エコノミークラス症候群は、長時間身動きがとりづらい状況において同じ姿勢を続けることにより、膝の裏にある静脈の血行が悪くなり、静脈の中に血の塊(静脈血栓)ができてしまい、その血栓が血液の流れに乗って肺まで行き着き、それが原因となって危険な症状を引き起こす病気です。
また、飛行機の中は空気が乾燥しがちであり、こまめに水分を補給しないことも血液がドロドロになり、静脈で血の塊が生じやすくなる原因となります。
ビジネスクラスやファーストクラスでも起こりえる病気
エコノミークラス症候群という病気は、その名前の由来からして窮屈な姿勢を強いられるエコノミークラスのみで発症しやすいと思われている人も多いかもしれませんが、実際にはビジネスクラスやファーストクラスでも起こっており、あくまでも座席の狭さだけに原因があるわけではなく、ほとんど座席から立ち上がらず身体を動かないといったことや、水分補給が十分になされていないといったことも、エコノミー症候群の発症原因と考えられます。
エコノミークラス症候群の治療法
エコノミークラス症候群の治療法としては、肺動脈に詰まった血栓を取り除いて肺の血液の流れを回復させることが目的となりますので、それに応じた治療方法が実施されます。具体的な治療法として、症状が比較的軽症である場合には、血栓がこれ以上できないようにする薬を服用し経過をみていく【抗凝固療法】といった治療方法が行われます。血栓が広範囲に及んでいる患者さんの場合であれば、詰まった血栓を溶かす作用の持った薬を投与する【血栓溶解療法】が実施されるようです。
症状が重症である場合は危険
エコノミークラス症候群の患者さんで症状が生命の危機に瀕している時などひじょうに深刻な場合には、薬などで血栓を除去する方法はとらずに、血管内カテーテルを用いて薬剤を注入したり、直接的に血栓を摘出する【血管内治療法】や【手術療法】が行われます。